本記事の内容
- エンジニアの出身学歴の割合
- 学歴を気にしなくてよい理由
- 文系だと苦労するかもしれないこと
- 文系出身者が活躍できること
- <体験談>私のスーパー上司が文系出身だった話
本記事の信頼性
この記事を書いている僕は大手IT企業勤務の30代のシステムエンジニアです。
・システム開発歴7年以上、プロジェクトマネジメント歴5年以上
・プログラミング歴8年(c++,java,bash,pythonなど)
・情報処理試験(応用情報、DBSP)を保有
・AIを活用したシステムの特許3つ認可済
僕は大手IT企業にSEとして勤務していますが、今回は文系出身の方がエンジニアになることができるのか?
というテーマで話したいと思います。
まず最初に結論を言ってしまうと、文系出身でもSEになることができます!
実際に私の職場にも文系出身のエンジニアが多数いますし、プログラミングがバリバリできる文系出身のスーパー上司も実在します。
そうは言っても、文系でプログラミングの経験がないと、本当にエンジニアになれるのか?と不安になると思います。
そこで、本記事では私の経験内容も踏まえて、文系出身の方がエンジニアになる上で何が大変なのか、逆に何が強みとなりえるのかについて解説します。
もくじ
文系出身でもエンジニアになれるのか?【音声】
文系出身でもエンジニアになれるのか?というテーマでラジオ配信した音声が以下となります。
文章を見るのが面倒、という方はこちらの音声をお聞きください。
大手IT企業で最速出世した効率的な仕事術、ノウハウ、tipsを配信しているラジオです。興味がある方はstand.fmでフォロー頂けると嬉しいです。
エンジニアの出身学歴の割合
まず、実際に文系出身のシステムエンジニアがどのくらいの割合で実在しているのかを確認してみましょう。
下の表はIPAが2017年に、IT技術者の最終学歴(専攻)について調査した結果です。
こちらを見ると理系出身が49.4%に対し、文系出身が37.6%とそんなに大きな差がないことが確認できます。
学歴 | 割合[%] |
|
情報系 | 17.2 | 49.4% |
理学系(情報系を除く) | 9.3 | |
工学系(情報系を除く) | 19.8 | |
その他の理系 | 3.1 | |
文学部 | 9.1 | 37.6% |
社会学系 | 3.5 | |
法学系 | 6.3 | |
経済学、経営学系 | 15.9 | |
その他の文系 | 2.8 | |
その他 | 13 | 13% |
出典:"IT人材白書2017". 独立行政法人 情報処理推進機構 p204,図表3-5-4
このことから理系の方が割合として多いものの、文系エンジニアが実在することが判明しました。
学歴を気にしなくてよい理由
先ほどの結果から、文系出身のエンジニアが多いことが分かりました。
しかし、「エンジニアという仕事は文系よりも理系の方が適正があるのではないか?」と疑問に思うかもしれません。
しかし、学歴については以下の理由からそんなに気にする必要はないといえます。
①社会人のスタートとしては大きな差がない
②社会人は年齢と実績が重視される(学歴は関係ない)
①社会人のスタートとしては大きな差がない
文系出身の方からすると、理系出身の人はITのことがすごく詳しく感じるかもしれません。
しかし、これは若手の時ほど、知っていたか・知らないかくらいの少しの差が大きく感じてしまうこともあり、自分は文系だからできないんだと悩んでしまう人もいるため、入社したての時は苦労する人もいるかもしれません。
ですが、長い社会人生活からみたとき、学生時代の経験なんて簡単にひっくり返ります。
学生時代に少し勉強した経験があるといっても、ほとんどの人はビジネスとしての実績はゼロです。
つまり、理系出身だろうが、文系出身だろうが、大きな差はありません。
社会人になってから、どれだけ成長できるか、ということの方が重要なので、学歴はさほど問題になりません。
②社会人は年齢と実績が重視される
あらゆる企業、世間が社会人を評価する基準は、年齢と実績になります。
・Aさんはまだ20代なのにこんなに仕事ができる!
・Bさんは30代だけど、他の30代の人と比べるともう少し頑張ってほしい。
こんな感じになっていきます。
転職のときも、何歳でどのような実績があるのか?何ができるのか?が市場価値になります。
そのため、社会人になった後は文系出身か理系出身か、などを気にする人はいないため、社会人になってから学歴をそこまで気にする必要はありません。
(これは出身大学などが有名かどうかについても同様です。)
いくら有名な大学を出ていても社会人になってからの実績がゼロの人は評価できないためです。
文系だと苦労するかもしれないこと
ここまでで、文系か理系かはエンジニアにとって重要ではない。ということをご説明してきました。
それでは、エンジニアになる上で、何が重要なのか?という疑問が出てくると思います。
こちらについては、理系・文系に限らず、エンジニアに向いている人・そうでない人の特徴をまとめた記事を読んでみてください。
・「エンジニアに向いている人、そうでない人」(超絶頑張って、記事準備中です!)
また本記事では、文系だと苦労しそうなことについてピックアップしてお話します。
ポイント
・IT全般に興味が持てない可能性がある。
・プログラミングが苦手な可能性がある。
・論理的に物事を考えるのが苦手な可能性がある。
あくまで統計的な話なのですが、文系よりも理系の方が数学や物理などが得意だった人が多く、プログラミングが得意な傾向があります。
逆に文系の人はそもそものITの仕組み、プログラミングに興味が持てない、難しくて全然理解ができない。と思ってしまう人も少なくないと考えられます。
理系・文系に関わらず、IT自体に興味が持てない人はエンジニアとして仕事をしていくことが苦痛に感じてしまいます。
理系でもエンジニアには適正がない人もいるため、自分が興味を持てるのかどうかを文系・理系に関係なく考えることが重要です。
文系出身者が活躍できること
苦労するかもしれないこととは逆に、文系出身だと活躍できる可能性が高いスキルは以下となります。
ポイント
・コミュニケーション能力
・複雑なものを抽象的に捉え、相手に伝える
・話をまとめる、要点をまとめる
エンジニアの仕事はプログラミングだけではありません。システム開発にはお客さんとのディスカッションが必須ですし、チームメンバーとのコミュニケーションも重要となります。
このようなスキルは理系の人が苦手とする分野の傾向があります。
そのため、理系の苦手な事は文系が得意な事だったりするなど、各々の得意分野での活躍が大いに期待できます。
企業としては同じような考え方の人ばかりだと成長できない。文系エンジニアは必要な人材だと言えます。
メモ
・プログラミングが苦手でもエンジニアになることはできる
エンジニアの職種にはプロジェクトマネージャーなどプログラマーをまとめる仕事もあるため、プログラミングができないけどITに興味がある人はエンジニアになれると思います。
実際にプログラミングしたことないけど、経営・企画に強い管理職の方もいらっしゃいます。
<体験談>私のスーパー上司が文系出身だった話
過去に私が一緒に仕事をしたスーパー上司についてお話します。
その方はとてもロジカルで無駄を嫌い、常にアンサーファースト、さらにプログラミングの知識も現場のプログラマーにアドバイスができるレベルでした。
私は、その凄腕上司はプログラミングを学生時代から身につけてきたと思っていたのですが、ある飲み会で「俺は法学部出身だよ。最初はプログラミングとか全然わからなくてめちゃくちゃ勉強したよ!笑」と文系であることが判明しました。
恥ずかしながら理系院卒の私もそこそこプログラミングができたので、自分よりもプログラミングができる人は学生時代から経験がある人なのかなぁと考えていました。
完全な偏見でした、穴があったら入りたい!
本記事でも書きましたが、学生時代の数年の経験なんて、社会人になってからのキャリアに比べたらほとんどの場合が大した事ないです。
学生時代の数年間よりも社会人としての十数年で何を習得していくかです。
結局、会社に入ってから頑張れるか、頑張りたいと思える仕事か、が重要だと思います。
まとめ
文系というのは現時点でのステータスであり、それが全てではありません。
会社に入ってSEになる事がゴールではなく、SEとして何をするか、どう成長していくか、というマインドを持って頂ければと思います。
以上!!