本記事の内容
- SESとは?【契約形態を解説】
- SES実体験から語る6つの知識
- SESで後悔しないために必要なこと
- SESから年収を上げる方法【キャリア戦略】
本記事の信頼性
この記事を書いている僕は大手IT企業勤務の30代のシステムエンジニアです。
・システム開発歴7年以上、プロジェクトマネジメント歴5年以上
・プログラミング歴8年(c++,java,bash,pythonなど)
・プログラミングのコーチングアシスタント経験あり
・情報処理試験(応用情報、DBSP)を保有
・AIを活用したシステムの特許3つ認可済
未経験でエンジニアを目指そうとすると「SESはやめとけ!」と聞くことが多いと思います。
しかし、やばい噂は聞くもののなぜやばいのか?、どうすればSESでも後悔しないのか?について説明してくれる人はあまりいません。
そこで、今回は「SESはなぜやばいのか?具体的に何が大変なのか?」というテーマで話したいと思います。
結論から言うと、SES主体の企業はブラック企業が多いため、見極めないと後悔します!
SESでホワイト企業があるの?と疑問に思うかもしれませんが超絶ホワイト企業も存在します。
例えば、上流のエンジニア(企画、提案、技術力の高いエンジニア、コンサルなど)のSES契約は高給取りです。
しかし、これらは高い提案力・技術力を対価に高額報酬を得るビジネスモデルとなっており、そのような企業に入社する難易度も高いです。
正直、未経験でいきなりそのステージに立つことは難しいです。
しかし、スキルアップ可能な企業に勤めることができれば、あなたの市場価値を上げることで大きくキャリアアップすることができます。
そのためにもSESとは何かを理解した上で勤める企業の見極め、戦略的にキャリアを考える必要があります。
本記事では現役SEの経験を踏まえ、SESの「仕組み、実体験、キャリア戦略」について解説していきたいと思います。
SESの仕組み
SESはやめとけ!と言われる理由をお話するためには、まずSESの仕組みを理解する必要があります。
SESとは
SESとはSystem Engineering Serviceの略で、ITスキルを保有したエンジニアが委託元の仕事をサポートするサービスのことです。
分かりやすく以下の図を使って説明します。
SESの仕組み
化粧品会社のX社が化粧品を売るためにWebサイトを新しく作りたい!しかし、X社にはWebサイトを開発できる社員がいないので、IT企業のA社に発注します。
①X社からシステム開発を受注したA社は開発に必要な人数を見積ります。
※今回は4人×4ヶ月とします。
②A社は自社の社員1名に加えて残りの3名が必要なので、B社と3名のSES契約を結びます。
③B社は自社の社員1名に加えて残りの2名が必要なので、C社と2名のSES契約を結びます。
このような流れで別々の会社ですが4名のメンバーでシステム開発を行うことになります。
上記のように、IT業界ではSES契約を結びチームメンバを集めてシステム開発を行うことが一般的です。
この場合、
A社のプロジェクトマネージャーが開発するシステムの仕様をお客さんと調整する。
B社のチームリーダーが確定した仕様を基に設計する。
C社のメンバは設計内容を基にプログラミング開発をする。
のようなイメージです。
※各社でどのような役割分担を行うかは契約の内容や各社の立場、状況によって変わります。
このようにSES契約とは、ITスキルが求められる作業に対し、エンジニアが一定期間働く契約となります。
(契約内容としては時間単位の精算をすることが多いです。)
SESに対する勘違い
SESは給与が低く、自由度が少ない、ひどい契約だ!と言われることが多いですが、これは発注元の会社、勤め先の会社がブラックの場合です。
逆にホワイト企業のSES契約の場合は、一ヶ月の労働時間が決まっている契約なので残業がほとんどないケースなどもあります。
同じSESでも勤め先の企業次第で働き方、仕事内容、給与などが違います。SES=ブラックでやばい!ではなく、SESをするブラック企業がやばい!ということです。
実際に僕の体験談も含めて、具体的なSESの実態を紹介します。
SES実体験から語る6つの知識
僕の実体験を踏まえて、よく質問される6つの内容について解説していきたいと思います。
- 仕事内容
- 労働時間
- 給与・年収
- 指示命令系統
- 勤務形態・服装・労働環境
- 技術力・スキルが上がるのか
1.仕事内容
SESは仕事を選べない!と言われますが、本当なのか?
これは半分あたっています。というのも、勤める会社によって大枠の役割が決まるものの仕事の内容は配属されるプロジェクトによって変わるためです。
具体例を用いて、その仕組みについて解説します。
※プロジェクトの体制と各種役割についてパターン分けしてみました。
パターン①
このパターンの場合、C社のメンバーとしてプロジェクトに参加した場合、現場で開発を経験し、プログラミングスキルを向上することができます。
会社 | 立場 | 役割 |
A社 | プロジェクトマネージャー | お客さんとの調整、案件全体のプロジェクト管理、設計書・プログラムのチェック |
B社 | リーダー | 設計書の作成、C社のプログラムのチェック |
C社 | メンバー① | 設計書に沿ってプログラミング |
C社 | メンバー② | 設計書に沿ってプログラミング |
パターン②
パターン①とは異なり、このパターンの場合、、C社のメンバーはプログラムのテストや雑用をすることがメインとなり、スキルやノウハウを向上することが難しくなってしまいます。
会社 | 立場 | 役割 |
A社 | プロジェクトマネージャー | お客さんとの調整、案件全体のプロジェクト管理、設計書・プログラムのチェック |
B社 | リーダー | 設計書の作成、C社のプログラムのチェック |
B社 | メンバー① | 設計書に沿ってプログラミング |
C社 | メンバー② | プログラミングのテストや雑用をする |
パターン③
契約やプロジェクトによってはB社やC社にある程度の裁量があるパターンもあります。
立場 | 役割 | |
A社 | プロジェクトマネージャー | お客さんとの調整、案件全体のプロジェクト管理 |
B社 | リーダー | 設計書のチェック、C社のプログラムのチェック |
C社 | メンバー① | 設計書の作成、プログラミング |
C社 | メンバー② | 設計書の作成、プログラミング |
このようにSESの仕事内容は会社の立場やプロジェクトに応じて変化します。これがガチャと呼ばれる由来です。
ぐり主任の場合
個人的につらかった時と良かった時のパターンを紹介します。
- つらかった時
自分目線でつらかった案件としてはこのような体制のときでした。B社やC社の方に作業依頼するものの作業品質が低すぎるため、RVが終わらないなど様々な問題が多発しました。
最終的にはプロジェクトマネージャーのポジションでプログラミングも実施していました。これはマネージャー失格の動きですが、僕が残業してごり押しでプロジェクトを完遂しました。
※元請け目線で、期待するパフォーマンスが出せていないB社の方とは、残念でしたが契約を継続することがありませんでした。
立場 | 役割・特徴 | |
A社 | プロジェクトマネージャー(ぐり主任) | 顧客調整などの仕事に加えて、B社とC社の方ができないことを全部やる |
B社 | リーダー | 開発経験少ないためミスが多い。あまりやる気もない。 |
C社 | メンバー① | プログラミングスキルはあるがコミュニケーションに癖がある |
C社 | メンバー② | 開発経験少ないためプログラミングでバグ多発 |
- よかった時
B社のリーダーがすこぶる優秀な方だったのでシステム開発に注力頂き、僕はお客さんからの無茶ぶりなどをブロックしていました。
C社のメンバーもプログラミングスキルが上達しているようでしたので、なかなか良いプロジェクトだったと思います。
仕事の内容はプロジェクトの内容、体制などに依存するため、選ぶことはできませんが、自分がやりたいこと伸ばしたい事をアピールすることで、アサインされる案件が変わってくると思います。
立場 | 役割・特徴 | |
A社 | プロジェクトマネージャー(ぐり主任) | 顧客調整に注力、重要な内容(設計やプログラム)をRV |
B社 | リーダー | 開発経験があり、リーダ気質、設計・プログラムのRVを担当 |
C社 | メンバー①(中級者) | 設計~プログラミング |
C社 | メンバー②(初心者) | 設計~プログラミング |
関連
エンジニアの仕事内容の詳細について気になる方は以下の記事を読んでみてください。
2.労働時間
労働時間がどのくらいなのか気になると思いますが、sesは基本的に1ヶ月あたりの労働時間が定められている契約になります。
そのため、本来であれば残業時間は少ないものとなります。
例えば、1日7.5時間×20営業日=150時間のように1ヶ月の契約時間が決まっています。
そのため、契約時間を超える作業が依頼された場合は契約時間に収まらない事を伝えた上で作業優先度を決める必要があります。
ここのコントロールができないクライアント、元請け、1次請けなどとSES契約を結んでしまうと1ヶ月の範囲内で無限に働かされる事があります。
SES契約は、クライアント、発注元がses契約の根本を理解しマネジメントできるか?が重要となります。
注意ポイント
悪質な企業になると、他の契約をしてやってるからこのくらいの作業はやってくれ!のような契約外作業を押し込んでくる企業がいます。
※この作業ができないなら他の仕事を発注しないぞ!という脅し
個人的にはこのような取引先とのお付き合いは続けるべきではないと思うのですが、中小企業では立ち行かなくなる所も少なくないため受け入れてしまうケースがあります。
参考
僕の場合、元請けの社員は1つの案件だけでなく、複数の案件を兼務するケースが多発します。
そのため、案件①、案件②、案件③のいずれかで上手くいっていない時は残業する必要があります。
そして、この業界は全ての案件が上手くいくほど甘くないです。
案件①が上手くいっていても案件②の調子が良くない。なんてことは日常茶飯事。
そのため、残念ですが僕はそこそこ残業時間が多いです。ここら辺は自分でも課題認識を持っているもののビジネス構造上難しいと感じています。
関連
エンジニアの労働時間について、僕の実体験も含めて以下の記事で解説しています。
3.給与・年収
SES主体の企業に会社員として務める場合、給与形態は勤め先の会社に準拠します。
どんな仕事をしたとしても一定水準の給与であり、昇進しても勤め先の給与形態に準拠することになります。
そこで、以下のポイントになるのは2つです。
ポイント
- SES企業の利益がどれだけでているか
- 企業の給与がどのくらいか
勤め先となる企業が元請け、1次請け、2次請け、3次請け、、、のどこに位置することが多いのか?そのポジションで社員の給与水準はどのくらい高いのか?
入社前にこの2つを見極めなければ、低賃金で給与が上がらなくなってしまう可能性があります。
逆に言えば、ある程度の給与水準が保証されている企業に勤めることができれば、収入は安定します。
体験談
SESの場合、会社によって給与が変わるため、自分よりも能力が低いリーダーの方が給与が高い。ということがあります。
僕も経験がありますが、自分よりも明らかに仕事ができない人でも、会社や立場だけで給料が決まるのは、正直やってられないな。と思ってしまいます。
発注側の人よりも自分の方が実力があると感じる方は転職してキャリアアップできると思いますので、転職による給与・年収アップを狙った方がよいです。
関連
エンジニアの平均年収がどのくらいなのか、大手IT企業勤めの僕の年収も以下に公開しているので、気になる方は読んでみてください。
4.指示命令系統
SESでありがちなトラブルである指揮命令系統の明確化については知っておいた方がよいです。
これは2次、3次、4次、5次請けなど契約数が多くなると、誰の指示で動けばよいか分からなくなってしまうことです。
チームリーダーが自分の契約先の会社ではないケースなどでは、契約先の会社ではないチームリーダーから作業指示が出る可能性がでてしまいます。
しかし、法律上は契約先の社員から作業指示を受けるべきであるため、自分は誰からの作業依頼で仕事をすれば良いのか?ということを明確にしておく必要があります。
ポイント
現場だと以下のような場合、サブリーダーからD社の方に作業依頼したいケースなどが発生します。
A社 リーダー
B社 サブリーダー
C社 メンバー
D社 メンバー
この場合、C社の人がD社の人に指示するべきなのですが、それだと現場が回らないケースもあるため、D社への作業依頼はC社の人が認識した上でお願いする形をとります。
※打ち合わせでC社の合意のもと作業依頼、メールでC社とD社向けに作業依頼など
法律上、B社からD社は契約がないので作業依頼はできませんが、現場では、非常に曖昧になりがちでトラブルが起きないように注意が必要です。
自分がD社のポジションのときにB社から依頼された際は、C社に伝え合意したうえで作業に取り掛かる形がよいと思います。
5.勤務形態・服装・労働環境
SESの勤務形態にはいくつかのバリエーションがあることも押さえておきましょう。
また勤務形態に応じて、服装や労働環境が異なります。
①客先常駐
こちらは発注元の勤務地で仕事をするケースです。
お客さんと同じフロアで仕事をするので、お客さんとコミュニケーションを取っていけるのはメリットです。
ただし、急な作業依頼や質問などがくるというデメリットもあります。
僕もここ数年は客先常駐なので、お客さんのオフィスで仕事をしています。
※自社よりもお客さんのオフィスの方が綺麗なので、ちょっとラッキーです笑
②発注元のオフィスに常駐
発注元のオフィスで仕事をするケースです。
発注元の方が近くにいるため、指示命令系統が混乱することは少ないと思います。
またお客さんが近くにいるわけではないので、ある程度、現場のメンバーで仕事を進めていく形になります。
③自社で作業
SES契約でもリモート作業が許可されているため、自社で作業するケースもあります。
僕は数年前、パッケージ開発を自社で作業することがありましたが、とても働き方の自由度が高い印象でした。
※昼休憩のタイミング、私物のクッションやキーボードの持ち込みなど
④テレワーク
自宅から自社orお客さんの環境にリモートで接続して仕事をすることができます。
僕の場合は、自社から貸与されたPCとお客さんから貸与されたPCの2台でテレワークをしています。
客先常駐がメインでしたが、幸か不幸かコロナの影響でお客さんの環境にリモートで接続できるようになりました。
個人的にはSESでもテレワークで仕事ができる。というのは非常に魅力的かなっと考えています。
服装
SESにおける服装は勤務先のルールに準拠することになります。
エンジニア業界は割とカジュアルな恰好がOKになってきています。
最近はお客さんもカジュアル化が進んでおり、スーツでなくてもOKです。
※僕は服選びが面倒なのでスーツ着てます笑
6.技術力・スキルが上がるのか
SESで技術力やスキルが上がるのか?という疑問を持つと思いますが、実態としては、
- どんな技術力を身に着けられるかは案件次第
- スキルアップするかどうかはその人次第
といったところです。
どんな技術力を身に着けられるかは案件次第
身に着けられる技術は配属される案件次第です。
例えば、Webデザインの仕事、フロントエンドの仕事、バックエンドの仕事など色々な種類がありますが、その中でもプログラミング言語に何を利用するか?などは案件によって異なるためです。
自分が身に着けたい技術があるのであれば、○○のスキルが伸ばせる案件に入りたいです!自社の管理職に主張し続けることが重要です。
僕の場合、最新技術(AWSやSaaSなど)を利用した新規案件をやりたい!と上司に言い続けていた所、ここ数年はやりたいことをやらせてもらっています。
自分の主張が通るかどうかは運もありますが、主張しなければ始まらないので、配属後に自分がやりたいことを伝えることが大切です。
スキルアップするかどうかはその人次第
これはエンジニアに限らず共通して言えることだと思うのですが、仕事を自分から率先して取り組む、というアクションを行えるかどうかでスキルアップするかどうかが変わります。
「任された仕事を指示された通りに行うのか?」「自分なりに調査し、工夫した形で取り組むのか?」で仕事の質が変わりますし、スキルの習熟度も変わります。
エンジニアとしてのスキルが上がるかどうかは自分次第となるため、成長するにはどうしたらよいか?を常に考えることが重要です。
参考
仕事内容で雑用ばかり任せられる可能性について取り上げましたが、エンジニアでなくても実施できる作業ならばパートの方や派遣事務の方にお願いするケースが多いです。
そのため、SESでは、どちらかというと自分が想定するよりも多くの作業依頼をされる傾向があります。
従って、より高度な仕事をどれだけ実施できるかがスキルアップのポイントとなります。
逆に言われたことだけを実施していたい。という方はそもそもエンジニアという職業がつらいと思うのでおすすめできません。
SESで後悔しないために必要なこと
SESの実態を伝えましたが、エンジニアという職種で幸せになるにはどうすればよいのか?と悩む方もいると思います。
そこで、SESで働くうえで後悔しないようにするためのポイントを整理しました。
会社選びが重要
会社員としてSESを行うならば、結局、勤め先がブラックかどうかを見極めることが最重要です。
なぜならば以下の条件は全て勤め先によって決まるからです。
- 給与形態、年収
- SESとしての立場(〇次請けになるか?)
- 労働環境
- 労働時間
- 勤務形態
- 仕事内容(どんな案件に携われるか?)
見極めるコツとしては、事前に以下をリサーチしておく方が良いです。
- 給与形態 ※昇進したときに給与が上がるのか?
- 取引先 ※どのような会社と取引をしているか?
- 〇次請けのポジションの会社なのかを事前に見極める
- 配属される可能性がある部署の業務内容
- 業界、業務内容から自身が伸ばしたいスキルとマッチするか判断する ※クラウド、AWS系の案件が多いか?など
これらは自分の将来も含めて企業選びを行うことが重要です。
SESが全て悪ではなく、ブラック企業に勤めない、ホワイト企業を見つけ出す!ということが重要です。
全てを満たす会社はなかなか難しい
厳しいことを言うかもしれませんが、自分の理想の会社はないと考えた方がよいです。
エンジニアとして働くうえで、自分が何を大事にしたいのか?を明確にしておく必要があります。
例えば、
- 労働時間は長くても良いから給与とスキルを上げたいのか?
- ライフワークバランスを保ちたいので、テレワークができて、労働時間を極力減らしたい。
など、人によって重要なポイントが変わってきます。
自分が仕事に何を求めるのか?エンジニアとしてどのように働きたいのか?方向性を定めたうえで勤める会社を見つけるべきです。
未経験はSES企業へ勤めるべきか?
未経験ならSESに勤めるべきだ!SES企業は勤めたくない。などの意見がありますが、僕の見解としては、以下2点です。
- 雇用形態はよりも自分がやりたいことができる企業を探すべき
- 自分が提供できる価値を踏まえた上で、会社の条件を探すべき
SESだから~というよりは、自分がやりたいことができるか、行きたい会社に自分が価値提供できるのかが重要です。
未経験でエンジニアになりたい人がやたらSESを避ける傾向があります。しかし、SESだけを避けたところで理想の開発ができるとは限りません。
正しい会社選びをしなければブラック企業に勤めることになります。またエンジニアにはSES、社内SE、自社開発など多様な働き方がありますが、どれが自分にあう働き方かは異なります。
どれが自分にあう働き方であるか、目指すべき会社を見据えつつ実力をつけていくべきです。
ポイント
未経験はスキルがないため、選べる立場ではない
未経験ということは働き方を選べる立場ではないことも多いです。
未経験でエンジニア転職・就職を目指すとき、SESに限らず企業があなたを採用するメリットを考えているでしょうか?
あなたが経営者でエンジニアを雇う時、未経験者を高い給料でリモートワークで雇おうと考えますか?
未経験ということは、教育する必要があるため、即戦力にはならないケースが多いです。
その上で未経験者を雇うということは、半年~数年後に活躍できるポテンシャルを持っているかどうか?を判断した上で採否を決定しています。
プログラミングの基礎学習を終えている場合は学習コストが少ないことをアピールしているということになりますが、即戦力のアピールには不十分です。
SES企業でも元請けや2次請けの仕事を未経験で実施することは難しい場合も多いので、3次請け、4次請けとなる可能性も高いです。
自分の市場価値(スキル、できること)を踏まえた上で、どのような企業で仕事ができるか、スキルアップの戦略を立てた上で会社を選ぶことが必要です。
自分のスキルが足りないため、初回の就職時に理想のエンジニア就職・転職ができない可能性は考慮しておいた方が良いです。
経験者がSESで勤める場合の注意点
経験者のエンジニアがSES企業に勤める場合は、「現在の立場、スキルに対して待遇が適切であるか?」を確認した方がよいです。
例えば、自分が保有しているスキルと現状の待遇を書きだしてみてください。
■現在のスキル
・立場(マネージャー、リーダー、プログラマー)
・保有スキル
プログラミング言語
携わったことのあるMW、サービス
・保有資格
・エンジニアとしての強み
・エンジニアとしての実績
■待遇
・給与、年収
・働き方(客先常駐、テレワーク)
・労働時間
・福利厚生など
これらを整理した際に、第三者目線で待遇が悪い、あるいは待遇の比率を変えたい(給与が下がっても労働時間を減らしたいなど)があれば転職した方がよいです。
※転職先候補からも外したほうが良いです。
逆に他社で活用できるスキルを自分が保有していない場合は転職をすることで待遇が悪くなるリスクもあるため、注意が必要です。
SESから年収を上げる方法【キャリア戦略】
SESからの年収を上げる戦略は大きく3パターンだと思います。
- キャリアアップ転職
- フリーランスになる
- 副業として稼ぐ
キャリアアップ転職
SESエンジニアからキャリアを上げる最もスタンダードな戦略は転職です。
エンジニアから転職する場合、いくつかのパターンがあります。
- エンジニアの経験を活かして、エンジニアとして待遇の良い企業に転職する
- エンジニアの経験を活かして、業種を変える(コンサルになる等)
- エンジニアの経験を活かして、発注側の企業のIT部門に転職する
自分のエンジニアの経験を活かせば上記のようなキャリアアップを目指すことができます。
逆に言えば、何も考えずにエンジニア経験を積むだけでは転職先で求められるスキルが身につかないため、キャリアアップ戦略を意識することは重要です。
フリーランス
SESエンジニアで個人でシステム開発をするスキルが身についた人ならフリーランスになることも選択肢の1つではあります。
フリーランスになると会社員の時よりも給与が高くなる傾向があります。
※額面だけで会社員の頃の2~3倍はもらえるイメージ
ただし、会社員にはボーナスや福利厚生がありますが、フリーランスになると失うものもあるため、目先の給与だけでなく長期的に見て得になるか考えてから実施した方がよいです。
いきなりフリーランスになることはリスクが高いため、フリーランスを見据えた働き方、副業などで実績を作ってからフリーランスになることをおすすめします。
※フリーで発注していただける顧客とのコネクションがあれば、ある程度は安心できます。
副業
年収を上げる方法として個人的には一番おすすめの選択が副業です。なぜなら副業は本業の恩恵を受けつつ、年収を上げることができるからです。
副業をスタートする場合に注意したいのが、本業で蓄えた資金の許容範囲内で副業を開始することです。
僕の知り合いにもせどりなどの物販をいきなり大規模に開始して在庫不良で困り果てている人がいました。
ビジネスの基本はスモールスタートで、自分に合っているかも含めて軌道に乗ってきたら規模を大きくしていくことがおすすめです。
なお、エンジニアの副業としておすすめなのはプログラミング、Web制作、ブログあたりです。
SESはやめとけ!についてのまとめ
本記事ではSESはやめとけ!と言われる理由について、以下を解説してきました。
まとめ
- SESのビジネスモデルは契約が多くなりがち
- SESで勤める場合は企業選びが重要
- SESで後悔しないためには、自分のスキルと勤める企業の待遇を見極める必要がある
- SESで年収を上げる方法は転職・フリーランス・副業
最近はプログラミング学習が流行っていますが、楽をして稼げるほど甘い業界ではありません。
プログラミングスキルは再現性も高く、学習コストに対する給与のコスパが高いのは事実ですが、業界をしっかり把握したうえで、エンジニアへの一歩を踏み出してほしいと思います。
以上です!